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口呼吸は口腔内や身体へ悪影響を及ぼす玄関口です。
皆様はご自身が鼻呼吸をしているか口呼吸をしているか意識してみたことはありますか?
普段無意識に口を空いてしまっている事がある方は気づかずに口呼吸をしています。
本来、生物は鼻呼吸をするものであり、鼻で呼吸をすることが正常な事なのですが言葉をしゃべることを覚えた人間だけは口呼吸ができるようになったと言われています。
今月のブログでは口呼吸になる原因、口呼吸をすることによって起こる弊害と対処法についてお話しします。
口呼吸になる原因
1 風邪やアレルギーによる鼻炎、鼻詰まり
2 小児のアデノイド(咽頭扁桃)肥大
3 口周りの筋力低下による開口
4 骨格の形状や歯並び
この様な事が原因となり口呼吸になってしまいます。
では、なぜ口呼吸は良くないのでしょうか?
良くない理由は大きく分けて2つあります。
1つ目は口が乾燥する
口が乾燥することによって引き起こされる弊害はたくさんあります。
風邪やアレルギーになりやすい!
口呼吸では乾燥した冷たい空気をそのまま体内にとりこむため、細菌などが直接侵入することになり風邪やアレルギーを引き起こしやすくなります。鼻呼吸では細菌やウイルスを排除する機構が備わっている鼻を通るため細菌などが直接体内に侵入することを防げると共に、冷たい乾いた空気を副鼻腔で温め加湿されて気道に送られます。
虫歯や歯周病、粘膜疾患になりやすい!
口の中が乾燥すると歯周病菌やむし歯菌が繁殖しやすい環境になります。また、唾液が減ることで洗浄・殺菌効果が減少します。また、口の中が乾燥することで粘膜疾患(カンジダ症)などのリスクも上がります。
口臭が発生しやすい!
口臭の主な原因は歯周病菌が発生させる揮発性有機化合物のため、菌が増えることで口臭もおこりやすくなります。
2つ目は筋力低下
口を開けていることにより口周りの筋力が低下することによる弊害もあります。
歯並びが悪くなる!
歯並びには外側からの唇や頬の筋肉圧と内側からの舌の圧によるバランスが重要です。口呼吸で口が開いている時にはそれらの筋は緩んでいる状態です。また、口を閉じる力が弱まることで、前歯を内側へと抑える力も弱くなり前歯が前へ出てきてしまう危険性があります。
老化が促進する!
口呼吸をしている時は口の周りの筋肉が常に緩んだ状態にあるため、表情筋も皮膚も緩みます。また、舌の位置を固定する筋肉も衰えるため、二重あごの原因にもなります。
ではご自身が口呼吸をしているかどうかをチェックしてみましょう!!
*唇や口が乾燥しやすい
*意識しないでいると口が開いている
*口を閉じると下唇の下が梅干しの様にしわしわになる
*よくいびきをかく
*鼻炎によく罹る
1つでも当てはまる方は要注意です。
そして上のチェック項目のどれに当てはまるかによっても対処法は異なります。
鼻づまりなどで鼻呼吸ができない場合は耳鼻科の受診をおすすめします。
鼻呼吸を意識すればできる方は、口の周りの筋力が緩み無意識に口呼吸をしてしまっている可能性が高いので、まずは鼻で呼吸をすることを意識的に行ってみて下さい。
その上で、以下の2つを取り入れてみて下さい。
1,お口の周りの筋肉を鍛える!
「あいうべ体操」(前月のブログでご紹介しております)や口輪筋のトレーニングをする。
口輪筋のトレーニング一例
・唇を口の中に丸め込んで口角を上げて笑う
・口笛を吹く
・空のペットボトルに100~200㏄程度の水を入れ、歯を使わないように唇の力だけで持ち上げキープする
2,寝るときに鼻呼吸テープを貼る!
薬局やドラックストアで鼻呼吸テープが販売されています。お口が開かないように貼るものや鼻腔を広げるために貼るものがあります。
また、お子様が口を開けている事が気になる親御さんは前月のブログで小児の口呼吸について掲載しておりますので、ぜひそちらもチェックしてみて下さい。
口呼吸を防止し鼻呼吸をすることは、ご自身のQOL向上に繋がります!
ぜひ鼻呼吸を意識して生活をしてみましょう。