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痛みがほとんどないクリーニング方法、エアフローを試してみませんか?
前回のブログでは、歯の表面をツルツルにするPMTCについて書きました。
今回のブログではPMTCとは別の機械を使って、歯の表面に付着した茶渋や、
タバコのヤニなどの着色、細菌のかたまりであるバイオフィルムを水圧と
パウダーの力で落とすエアフローについてお話します。
落とすものはPMTCと変わらないですが、インプラントや矯正器具が入っている方でも使える器具になります。
まだ暑さが続いて、マスクを外す機会も多いと思います。
着色が気になる方は試して、効果を実感して頂くのもいいと思います。
『エアフローとは?』
エアフローは超微粒子のパウダーを使用し、強力なジェット水流を歯に吹きつけて汚れを落とす器具のことをいいます。
エアフローも前回のブログで書いたPMTCも、プラークや着色、バイオフィルムなど歯磨きで除去できないものを除去することは同じです。
PMTCも普段の歯磨きと比べて歯を傷つける事はほとんどないですが、
パウダーとジェット水流を使用するエアフローは、さらに歯に与えるダメージが小さくなります。
超音波や、PMTCは歯面に直接器具を当てますが、エアフローは歯面に触れないため歯などを傷つける心配がありません。
超音波スケーラーや手用の器具による歯石除去や、PMTCなどでは除去出来ない歯肉縁下(歯周ポケット)のバイオフィルムの除去が可能です。
当院で使用中のエアフローのパウダーは、主成分がエリトリトール(代用甘味料)で、歯垢形成を抑制する、歯垢を分解しやすくする、
口内細菌の活動を弱める、歯垢の結合を緩めるなどの効果があります。
パウダーの粒子がとても細かいため、象牙質やセラミックなどの補綴物、インプラントや矯正装置にも使用することができます。
『歯石を除去する手用器具や超音波の機械、PMTCとエアフローの違い』
・歯面を傷つけない
・痛みが少ない
・パウダーとジェット水流で、他の器具では届かない歯と歯が隣接した細かい隙間などが清掃できる
・短時間で汚れを取り除ける
・プラークやバイオフィルムは除去できるが、歯石は除去できない
・PMTCと同じく保険外の診療になる
・着色汚れは落とせるが、歯を白くするホワイトニング効果は期待できない
『エアフローをおすすめする方』
・コーヒーやお茶、タバコのヤニなど広範囲に着色が付いている方
→タバコを吸う方や濃い緑茶、コーヒーや赤ワインなどは歯に着色が付きやすいです。
・セラミックなどの自費の詰め物や被せが入っている方、インプラントが入っている方
→セラミックやインプラントのネジを傷つけることなく、歯肉の下のプラーク除去が可能です
・矯正器具が付いている方
→パウダーとジェット水流で矯正のブラケットやワイヤーについている細かい汚れや装置を
傷つけることなく除去が可能です。
矯正中は、ワイヤーや装置がある為、歯ブラシの毛先が届きにくくなり、着色や汚れも残りやすくむし歯にもなりやすいです。
矯正装置が入っている間は定期的にエアフローでバイオフィルムを除去するのがおすすめです。
・保険のクリーニングでは取り除けない汚れを落としたい方
→歯石は除去できますが、着色やヤニなどの審美に関することは保険で認められていない為、保険外の治療で落とすことになります。
・口臭が気になる方
→通常のクリーニングでは届かない部分にも微粒子のパウダーが届くため、口臭の原因になっている汚れや歯周病の予防ができるといわれています。
・ホワイトニングを維持したい方
→エアフローでは、歯自体を白くすることはできないのですが、微粒子のパウダーを使用することで歯の表面がツルツルになり、
ホワイトニング後の歯に着色や歯垢(プラーク)の再付着が起こりにくくなるといわれています。
『機械を使って行う清掃は全てPMTC』
エアフローは、PMTCよりも後にできた新しいクリーニング方法です。
エアフローとPMTCでは汚れの落とし方が異なり、厳密には別の施術と言えますが、PMTCは「機械でおこなう歯のクリーニング」という意味に当たるため、
エアフローもPMTCの中に含まれます。
またスケーリングも、「歯面に沈着した歯石や歯面沈着物を機械的に除去すること」を目的としており、
「機械による清掃、歯石やプラークを落とす作業」であるPMTCの範囲内と考えることもできます。
歯科によっては、エアフロー、PMTC、歯石除去を別の施術として扱っている所もあります。
当院でも、この3つの施術に関しては、別の治療として扱っております。
(歯石除去) 保険内でできる歯のクリーニング、歯周病の治療が目的
(PMTC) 歯の表面を専用の機械を使用してツルツルにし、歯本来の色にする
(エアフロー) 広範囲の茶渋や、インプラント、矯正器具が入っている方
『エアフローの禁忌(施術が難しい方)』
喘息や気管支炎、上気道感染症などの呼吸器疾患がある方
重度の知覚過敏がある方
『まとめ』
基本的にエアフローは痛みの少ないクリーニング方法ですが、知覚過敏がある場合は、瞬間的に痛みが出る可能性があります。
着色汚れの除去には有効ですが、歯自体を白くするホワイトニング効果は見込めません。
補綴物の色も同様に、施術によって白くはなりません。(補綴物はホワイトニングでも白くなりません)
エアフローの施術直後にコーヒーやお茶を口にすることはしないようにしてください。タバコも直後は吸わない方がいいでしょう。
歯のクリーニング後は、歯の表面にある「ペリクル」という膜が一時的になくなるため、着色しやすい状態になるためです。
施術後最低でも2~3時間程度は我慢するようにしてください。
コーヒーやお茶、赤ワインやカレー、大豆に含まれるイソフラボンもポリフェノールの一種になります。
当院では、エアフロー、PMTC以外でもむし歯や歯周病予防のため、様々な予防を行っております。
予防歯科ページもご覧ください。