カテゴリー:
定期検診は行ったほうがいい?
定期的に歯の検診に行っていますか?
痛みが出たり、何かおきないと歯科医院に行かないという方もいると思います。
生涯の歯や体の健康にも繋がってくる「定期検診」について、今回お話します。
なぜ定期検診が大切なのか?
1 早期発見、早期治療
初期段階の虫歯や歯周病は自覚症状があまりなく、気づかないうちに進行していることが多いです。自覚症状が出た時には、大掛かりな治療が必要だったり、抜歯をせざるを得なくなっている場合もあります。定期検診は、口腔内の疾患を早い段階で発見し、早期治療を行うためには欠かせません。
2 バイオフィルムを落とす
虫歯や歯周病の原因は、歯ブラシでほぼ落とすことのできないバイオフィルムという細菌の塊です。バイオフィルムは定期的に除去したとしてもその後、3.4カ月で再形成されます。また、口腔内の細菌層も3,4カ月で変わってきます。バイオフィルムや口腔内の細菌層をリセットすることによって、虫歯や歯周病の予防になります。
そのため、当院の定期検診は3か月を推奨しています。
3 全身疾患と繋がっている
虫歯や歯周病、噛み合わせのトラブルは全身の健康と密接に関係しています。
これに関しては、前のブログの「歯周病が命に繋がる?」で詳しく記載してあるのでご覧ください。
自分の歯を一本でも残そう!
8020運動という言葉はご存知ですか?これは、「80歳になっても20本以上の自分の歯を残そう」という運動です。
では、日本では80歳で自分の歯がどれくらい残っているでしょうか。
定期検診に頻繁に行っていた人は 平均15.7本
問題がある時だけ行っていた人は 平均6.8本
※日本臨床歯周病学会 資料『長崎大学・新庄文明教授のデータ』より
こんなにも差が出てしまうデータがあります。
予防歯科の先進国のスウェーデンでは、80歳で20本の歯が残っている人がほとんどです。これは、日本と比べて、定期的に歯のメインテナンスに行っている人が、圧倒的に多いということです。
日本とスウェーデンでは歯医者に対する考え方が違います。
日本は「痛くなったら歯医者に通う」という人がほとんどですが、スウェーデンでは、「痛くなる前に歯医者に通う」という考え方が生活習慣として根付いています。
虫歯になったら、削って詰めるのではなく虫歯になる前に定期検診にきて予防していくことが重要になります。
医療費を減らそう!
歯が残っていればいるほど生涯の医療費が安くなるといわれています。
歯が残っている本数が多い人は、咀嚼機能が保たれ、栄養バランスのとれた食事をとりやすくなります。
これにより、糖尿病や心血管疾患などの全身疾患のリスクが低下されることが示されています。また、口腔内の健康が全身の炎症を軽減させるといわれています。
残存歯数が多いことで全身疾患のリスクが減少すれば、それらの疾患にかかる医療費や介護費用の削減につながります。
定期的な歯科健診や予防処置による初期投資が、将来的な高額な医療費を抑えることにも繋がるのです。
当院の定期検診
1歯周病の検査
歯茎の状態をチェックして、歯周ポケットの深さ、歯茎からの出血の有無を確認します。
2セルフケアチェック、アドバイス
歯茎から出血があった所や、磨き残しがある所を伝えます。それをふまえて、歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスの正しい当て方をアドバイスさせていただきます。
3クリーニング
超音波の機械を使い、歯に付いた歯石や汚れをとり、歯周ポケット内にいる細菌を洗い流します。そして、歯の表面をツルツルにして、汚れが付きにくい環境にします。
4全体のチェック
虫歯の有無、詰め物や被せ物に問題はないか、歯茎や粘膜の状態などを全体的にチェックします。必要に応じて、レントゲン撮影を行い骨や歯の内部に問題がおこってないかの確認も行います。子供の場合は、生え替わりの状態や歯並びのチェックをします。
当院が行う予防歯科の詳細は、『予防歯科ページ』もご覧ください。
定期検診を受けましょう!
定期検診を受けることで得られるメリット大きいです。
虫歯や歯周病の予防はもちろん、全身の健康にもいい影響を及ぼす可能性が高いです。
定期検診の重要性を理解し、自分の歯を守るためにも、ぜひ定期的な歯科検診を生活に取り入れましょう。