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お口の中に重大な病気が隠れているかも…
歯茎や舌、ほっぺたの内側を鏡でじっくりと見たことはありますか?
虫歯や歯周病以外のお口の中の病気を知っていますか?
もしかすると重大な病気が潜んでいるかもしれません。
今月のブログはお口の中の重大な病気の前兆となる可能性がある症状や状態をご紹介します。
早期発見のためにもぜひチェックしてみて下さい。
白くなっている所がある
褥瘡性潰瘍
慢性的な外傷によって生じます。尖った形になってしまった虫歯の歯や、治療で入れた
被せ物や詰め物、入れ歯などが外傷の原因になります。
不整形で灰白色か赤色の場合もあります。
接触痛を伴うことが多いです。
再発性アフタ
2mm~10mm程度の円形です。境界がはっきりしていて痛みを伴います。このような状態をアフタといい、
周期的、あるいは不定期に発症する場合を再発性アフタといいます。
大きさによっては治癒まで1ヵ月以上かかることもあり、原因は不明です。
白板症
他の疾患に当てはまらない舌や粘膜に発現する白色の病変を白板症といいます。
50~70歳くらいが好発年齢で、2:1の割合で男性に多く発症します。
また5~10%がガン化する病変です。口腔潜在的悪性疾患に分類されます。
口腔カンジダ症
健康な方のお口の中にも5~10%に常在菌として存在するカンジダ菌による感染症です。
白く丸みを帯びた形が多く、ガーゼで拭うと白い表面が剝がれる場合もあります。
抗真菌薬を使う必要があります。また、カンジダ症には種類があり発赤として発症し口角炎の原因になるものや、
白い表面が厚く悪性の腫瘍との判別が難しい物もあります。
感染の原因としては、全身疾患や全身疾患の治療による免疫低下や汚れたままの入れ歯の使用、口腔乾燥などです。
がん性潰瘍
白く隆起する、あるいはただれていたり、粘膜がえぐれた様になる場合もあります。
白板症と同じく50~70歳が好発年齢で、2:1の割合で男性に多く発症します。
→大学病院などの口腔外科専門機関で精密検査
黒くなっている所がある
メラニン色素沈着
歯茎や上あごに茶褐色から黒色の色素が沈着した状態です。凹凸がなく痛みもありません。
加齢とともに増える傾向にあります。また被せ物や詰め物の影響で発生する外来性色素沈着もありますが、
見た目に問題が無ければ治療の必要はありません。
色素性母斑
上あごや歯茎、頬っぺたの内側や唇などに黒い塊の様に発症し、隆起する物もあります。
痛みはありませんが悪性化する可能性がある病変です。
悪性黒色腫
悪性の腫瘍です。先に紹介した二つの症状ととても似ていて、異なる点としては形がはっきりしていない事や、
色に均一性がない事などですが視診での鑑別は困難です。
→大学病院などの口腔外科専門機関を直ぐに紹介
赤くなっている所がある
正中菱形舌炎
舌の後ろの方に菱形または楕円形に赤くなる疾患です。無症状の事が多いです。
カンジダ症の一種とも考えられており、痛みがある場合は抗真菌薬を使います。
紅板症
赤くはっきりしない形を呈します。しみるまたは痛みを伴う場合は悪性が疑われます。
14~59%の高い確率でガン化する病変です。ガン化する可能性を考慮して、紅板症の
段階で切除することもあります。
→大学病院などの口腔外科専門機関で精密検査
他にもお口の中に発症する疾患としては、
フォーダイス班
黄色い小さな粒々が沢山発現します。皮脂腺がお口の中に異所性に出来た物で、障害はないので治療の必要はありません。
扁平苔癬
頬っぺたの内側や歯茎に好発し、白っぽくレース様や網目様に発現します。発赤を伴う事もあります。左右両方に発現することがあります。
悪性化する確率が1%程度あります。
帯状疱疹
初回感染は水ぼうそうと呼ばれるものです。初回の感染で免疫が得られますが、神経に潜伏する為、その神経領域に発疹がでる疾患です。
発症部位は限局的で片側のみです。発疹が引いても神経痛が残ることがあるので受診をおすすめします。
<悪性疾患の特徴>
*数日で急には発生しない
*自然に小さくなったり消失したりしない
*はっきりした形を呈さない
*出血する
*硬い部分がある
*触ると痛い
これら一つでも当てはまる症状がある方は早めに受診をお願いします。
当院の患者様でも初診の検査や定期検診の際に精密検査をお勧めする症状がある場合は
精密検査が出来る病院を紹介させていただいております。
また、お口の中を見ただけでは発見出来ない疾患もあります。
定期検診で一年に一度はレントゲン撮影をしてお口の中の見えないところをチェックすることも重要です。
定期検診の詳しい内容はこちらをご覧ください。
今回のブログでは虫歯や歯周病以外のお口の中の病気を取り上げましたが、「歯周病」についても自覚症状がなく進行する疾患で、放置すると心筋梗塞や狭心症、
脳梗塞、糖尿病、早産や低体重児出産などのリスクを高めます。このことについては以前の院長ブログ「歯周病が命の危険に繋がる??」でも発信しています。
当院の歯周病治療のページもあわせてご覧下さい。
お口の中に、これ何だろう?大丈夫かな?と思う所がある方は重症化する前にぜひ当院へご連絡ください。
天王町かまた歯科
初診の方は下記のURLからもご予約が可能です。