ブログ

カテゴリー:

スタッフブログ

自覚症状が少ないまま進む—歯の根元にできる虫歯(根面う蝕)の怖さ

 

「歯に物が挟まりやすくなった」「歯が長く見えるようになった」「ときどき歯がしみる」

 

そんな変化に気づいたことはありませんか?こうした症状は、歯茎が少しずつ下がってきているサインかもしれません。

歯茎の下がり(歯肉退縮<しにくたいしゅく>)は、加齢や歯周病、ブラッシングの圧は強すぎることなどが重なっておこります。

30代では約60%、50代以上ではほぼすべての人に見られるといわれており、特別な人だけの問題ではありません。

ただ、歯茎が下がると、露出した歯の根元「根面う蝕(こんめんうしょく)」と呼ばれる虫歯ができやすくなります。

この虫歯は自覚症状が少なく気づきにくいうえ、進行が早いという特徴があります。

今回は、歯茎が下がることで起こりやすい根面う蝕について、その原因・特徴・予防のポイントを解説します。

 

歯ぐきが下がるとどんな問題が起きる?

●歯と歯の間にすき間ができるので、歯に物が挟まる
●歯の根元が露出するので、歯がしみる
●露出した歯の根元がむし歯(根面う蝕)になる
といったトラブルが起こりやすくなります。

 

根面う蝕(こんめんうしょく)とは?

根面う蝕とは、歯ぎしりや歯周病などで歯ぐきが下がり、本来は歯ぐきに覆われている「歯根(根面)」が露出した部分にできる虫歯です。

歯の根元部分は本来、歯ぐきに覆われていますが、歯周病や不適切な歯磨きによる傷つきなどで、歯ぐきが下がってむき出しになってしまうことがあります。

この部分は歯ブラシなどで磨きにくく、汚れがたまりやすいため、虫歯ができやすくなります。

歯の根元部分の虫歯は、初期の段階では色の変化などの特徴がなく、症状がほとんどありません。

症状が悪化・進行した時の色の変化や、穴が開くなどの症状でようやく発見するケースが多いため、普段からの予防処置と口腔ケアが大切になります。

 

◎「歯の根元」のむし歯がなりやすく進行が早い理由

歯は、硬いエナメル質と、その下の軟らかい象牙質(ぞうげしつ)の、大きく二つの層にわけられます。

歯ぐきが健康な状態にあって露出している部分(歯冠部)は、エナメル質に覆われています。エナメル質はほぼカルシウムやリンなどミネラルの結晶でできている、とても硬い組織です。

一方、象牙質は約20%が有機質でその大部分はコラーゲンが占めています。

コラーゲンの間にミネラルが存在するという構造で、エナメル質と比較すると柔らかい組織です。

 

本来歯ぐきに埋まっている部分(歯根部)にはエナメル質はなく、歯ぐきが下がって歯の根元が露出してくると、

柔らかい象牙質がむき出しになってしまいます。

この構造の違いにより、象牙質はエナメル質に比べて酸に弱く溶けやすいのが特徴です。

普段の歯垢のpHは中性付近ですが、飲食をすると歯垢の中の細菌が糖を餌にして酸を出すことで、酸性に傾きます。

その際、エナメル質が溶け始めるpH(臨界pH)は約5.5であるのに対し、象牙質の臨界pHは約6.7なので、飲食により歯垢の中のpHが下がりはじめると、象牙質はエナメル質よりも早く溶け始めてしまうのです。

 

根面う蝕が厄介な4つの理由

1 自覚症状が少なく、発見しにくい
 初期の色の変化が少なく、しみる、痛いなどの自覚症状が乏しいので、早期発見が難しいのです。

 

2 歯ブラシのみでは清掃が難しい
 歯肉が下がって露出した根面、隙間は歯ブラシだけでは清掃が難しく、歯間ブラシ、部分ブラシなどを併用しないと、磨き残しが生じやすい場所になります。

 

3 治療が難しい
 根を取り囲むように広がり、さらに歯肉の下にも広がることで、むし歯の部分を取り除き、埋める操作が難しくなります。また、健康な部分とむし歯の部分の境が曖昧で、神経にも近いこともあり、神経を取り除かなければならないケースもあります。

 

4 治療後も長持ちしにくい
 治療の難しさは、その後の経過に強く影響します。

そもそも、歯根が露出するということは、歯周病などで歯を支える骨が減っており、埋まっている根が短くなりますので、噛む力を受け止める力も衰えています。さらに、むし歯を埋めた周囲からさらにむし歯が広がり再治療となることもあります。

 

根面う蝕の3つ原因

1プラークと酸による脱灰(だっかい)

根面う蝕の最大の原因は歯垢です。虫歯菌は糖分を分解して酸を産生し、象牙質を急速に溶かします。

根面は酸への抵抗力が弱いため、通常の虫歯より短期間で進行しやすい傾向があります。

 

2糖分・喫煙・アルコール

糖分を頻繁に摂取すると虫歯菌が活性化し、酸の産生量が増加します。また、喫煙やアルコールは唾液分泌を低下させ、口腔内の自浄作用を弱めます。喫煙は歯周病の悪化にもつながるため、根面う蝕との悪循環を招きます。

3唾液分泌の低下

唾液には、酸を中和し歯を再石灰化(さいせっかいか)させる重要な働きがあります。しかし、加齢や薬の副作用、ストレスなどで唾液が減少すると、虫歯菌が増殖しやすくなります。特に高血圧や糖尿病の治療薬を服用している方では、口腔乾燥が起こりやすく注意が必要です。

 

根面う蝕を防ぐために今日からできること

1歯茎が下がらないないように歯周病予防をする

本来なら歯槽骨の中にあるべき歯根が露出することを防ぐのが最善の予防となります。歯ブラシに加えフロスや歯間ブラシの使用が効果的です。

また、歯ブラシの圧が強いと歯茎が下がる原因になります。歯ぐきに無理な力がかからないように気をつけましょう。

 

2フッ素入りの歯磨き粉や洗口液を使用する

歯の根元部分は歯ぐきに近く、表面も凹んでいるため、歯ブラシが届きにくい場所になります。

高濃度フッ素の入っている歯磨き粉や洗口液を使用して虫歯になりにくい歯をつくりましょう。

また、フッ化物の効果を高めるために、味が残るくらいに少量の水で、1回だけ軽くゆすぐ程度にとどめるようにしてください。

 

3定期検診を受けましょう

根面う蝕は自覚症状に乏しいため、歯科医院での定期管理が非常に重要です。歯周病予防に加え、定期的に歯科医院を受診して、お口の状態をチェックしてもらいましょう。

また、歯の根元はむし歯になりやすい場所なので、これまでむし歯がなかった人でも根面う蝕になる可能性はあります。

歯肉が下がり、露出した根面は清掃も難しく、加齢による唾液の減少などから、根面う蝕が多発し、歯を失ってしまう危険が高まります。
かかりつけの歯科医院での定期的なケアと家庭でのフッ化物の利用で、大切な歯を守りましょう。

 

🦷まとめ🦷
歯茎の下がりは加齢とともに誰にでも起こりうる変化です。ただ、露出した根面は虫歯になりやすく、気づいた時には進行しているケースも少なくありません。
まずは日々のセルフケアを見直し、歯ブラシに加えてフロスや歯間ブラシを取り入れることが、根面う蝕の予防に繋がります。
根面う蝕の背景には、歯周病による歯茎の後退が深く関わってきます。
歯周病は自覚症状が出にくく、気づかないうちに進行していることがあります。歯周病が心配な方は、あわせて歯周病のページもご覧ください。
根面う蝕はご自身で確認しにくい部分もあるため、歯科医院での定期検診なチェックが特に大事になります。
気になる症状がある方も、「まだ大丈夫」と思っている方も、ぜひ一度、予防歯科でのお口の状態を確認してみてください。
当院では、歯茎の状態や根面のリスクを含めたお口全体のチェックも行っています。歯茎の色や形の変化が気になる方は、あわせてブロブ記事「歯茎の色が気になったら?」もご覧ください。
むし歯、根管治療から日々のメインテナンスまで、お一人様の状態に合わせたサポートしていますので、ご予約はお電話からお気軽にどうぞまたはweb予約からお気軽にどうぞ。
診療時間

ご予約はお電話よりお願い致します。
ご質問などもお気軽にご相談ください。

診療時間 月 火 水 木 金 土 日/祝
9:30〜13:00 ● ● ● / ● ● /
14:30〜18:30 ● ● ● / ● ▲ /

▲…土曜日のみ14:00~18:00まで 【休診日】木・日・祝
(※祝日のある週の木曜日は診療)

045-489-9942
24時間ネット予約
TEL WEB予約 ACCESS